戦国時代にはお城の本丸!?大宮公園駅から徒歩10分「寿能公園」

突然ですが、戦国時代の大宮にお城があったのをご存知ですか?
その名も寿能城!
1560年に築城され、1590年に落城したそうで、城主は潮田出羽守資忠。
南・東・北の三方を「見沼」という湖沼に囲まれた、東西約870メートル・南北約440メートルの敷地を持つお城だったとか。
(※参考文献「大宮のむかしといま」発行:大宮市)

今はその敷地のほとんどが住宅地などになってしまったようですが、かつての城の一部だった場所が公園になっているそうです。
今となっては当時の面影はないかもしれませんが、戦国時代にお城だった地は今どんな公園なのか、気になったので調べてきました!

木漏れ日の階段を上がるとそこは…!正面とは反対側の入り口から入っていました

場所は、大宮区寿能町の住宅街の中。大宮公園と大和田公園の間(といっても大和田公園寄りですが)にあり、最寄駅は東武アーバンパークラインの大宮公園駅です。

地図を頼りに駅から歩き、大和田公園通りから大和田公園より少し手前で住宅街に入ります。すると、すぐに公園が見つかりました。

今回の取材は5月末、初夏の爽やかな日差しが木漏れ日になった階段が。
木々や芝生の緑と青空、なんて美しいんでしょう。

公園内が少し高くなっているので、階段を上がらないと公園の全貌がわからないのもワクワク感を増してくれます。さっそく上がっていきましょう。

階段を上がると、鉄棒とブランコ、それに右手の方に何やら看板と石垣のようなものが!
城跡に関するなにかなのでしょうか?

気になって近づいていくと、この石垣の正面の方向に、公園の正面入り口らしきものが見えました。
どうやら私は裏側の入り口から入ってしまったようです。

今回は紹介記事なので改めて正面入り口から入り直そうと思います。

アジサイのきれいな正面入り口。5月末時点ではツツジやザクロの花も

正面入り口には「寿能公園」の文字が。
こちらから改めて公園に入ろうと思ったのですが、公園名の横に咲き誇るアジサイが気になってしまいました。
青いアジサイがたくさん咲いていてとてもきれいです。

正面入り口の右手側は自治会館になっているのですが、そちらの方までアジサイがよく咲いていました。
初夏の季節は入り口からお花を楽しめるのですね!

入り口すぐのところに「寿能城跡」「屋外運動施設」の案内表示がありました。
間違いなくここが寿能城の跡なんだ!と感じられて、なんだか気持ちが盛り上がります。

矢印に沿って進んでいきましょう。

歩みを進めると今度はザクロの花がお出迎え!オレンジ色の花が明るく元気な印象です。

ツツジの花も大量に咲いていました!
正面入り口から続く道と、左右の運動施設を仕切るようにツツジが植えられていました。仕切りになっているだけあって、こんもりとボリュームがあります。

石垣の塚は物見櫓跡…戦国時代に思いを馳せて

色とりどりのお花を楽しみながら公園を奥へと進むと、先ほどちらっと見えた石垣にたどり着きました。
石垣の上にあるのはお墓のようです。

階段を上がることができるようになっていたので、上まで上がってみました。

こちらは、寿能城の城主・潮田出羽守資忠のお墓でした。
かつて城があったこの地で、城主を供養しているのですね。
400年以上の昔、城主はここでどんな景色を見ていたのでしょうか…。

詳しい解説は石垣の脇の看板に書いてありました。

詳細はぜひ公園でこの看板を読んでみていただきたいのですが、かいつまんで内容を紹介すると…

  • 寿能城は戦国時代、岩槻城の支城として永禄三年(1560)頃築かれた
  • 立地は見沼が三方を囲む要害地
  • 寿能公園一帯が本丸跡、墓碑の立つ塚は物見櫓跡といわれる
  • 東南の方角には出丸があった
  • 岩槻の太田資正の子、潮田出羽守資忠の居城といわれる
  • 天正十八年(1590)、豊臣勢の攻撃で落城


ということだそうです。
公園一帯が本丸跡、そしてこの石垣の塚は物見櫓跡といわれているんですね。
現在の穏やかな公園の風景からはなんだか想像がつきませんが、ロマンがありますね。

さまざまな角度から塚の写真を撮りましたので、写真を見ながらみなさんも戦国時代に思いを馳せてみてください。

寿能城跡の解説看板の横には、縦長の「氷川の森〜見沼西縁散歩コース」というイラストの看板が立っています。現地に行ったらぜひそちらも見てみていただきたいです。

後方には大きな木が3本。塚を見守るようにそびえています。

たった30年で落城してしまったという寿能城ですが、ここに本丸や物見櫓があったと思うと感慨深い気持ちになります。

いかがでしたか。
公園の魅力が伝わるように写真をたくさん撮りましたが、興味がある方はぜひこちらに足を運んでこの場の空気を感じてほしいなと思います。

しかし!歴史にそれほど興味がない方でも、運動施設や遊具が設置されていますのでそちらを楽しむことができます。それでは最後に、それらをご紹介したいと思います。

はじめよう健康づくり!大人も使える運動施設に、子どもがうれしい遊具まで

それではまず、正面入り口から塚へと続く公園中央の道を、入り口から見て左側。

こちらには「はじめよう健康づくり」との看板が立ち、運動用の遊具が並んでいます。
「運動不足の人や体力の維持・改善を必要としている人が、自分の体力水準に合わせ、楽しみながらできる遊具です」(園内看板より引用)とのこと。

これらの遊具をどう使うのかもイラストつきで看板になっています。

「腕の力をつける運動」「太ももの力をつける運動」など、何に効果があるのかと、どのように運動するのかが詳しく説明されているので、遊具を使って効果的な運動ができそうです!

「はじめよう健康づくり」コーナーの奥には、すべり台と砂場もあります。

すべり台がカラフルで楽しい雰囲気です。
ベンチもあり、一部に木陰もできていました。子どもや親子連れで遊ぶのによさそうですね。

続いては、公園中央の道を、入り口から見て右側。

こちらは芝が生えた広場にベンチ、ブランコと鉄棒が設置されています。
広々としているので、かけっこなどの遊びもできそうです!

こちらがブランコ。4人まで同時に遊べます。

こちらが鉄棒です。高さ違いで3つあります。
近くに絵本に出てきそうな切り株があるのが印象的でした。

大人から子どもまで楽しめる遊具あり、大宮の歴史ありの「寿能公園」。
運動で汗を流したり、身近な土地の歴史を感じたり、親子で遊んだりと、小ぶりながらも楽しく過ごせる公園です。ぜひ遊びに行ってみてはいかがでしょうか。

寿能公園
住所:埼玉県さいたま市大宮区寿能町2丁目155
アクセス:東武アーバンパークライン「大宮公園駅」から徒歩約10分

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。