伝統芸能を引き継ぐ北区日進町の「日進神社」でゆっくりお参り

今回ご紹介するのは、日進駅南口から徒歩10分程の場所にある「日進神社」です。
日進七夕通りを進み、「いなりや青果店」のT字路を右折し突き当たりに、石造りの大きな鳥居があります。

日進をお散歩していた際にたまたま見つけたこちらの神社。
せっかくなので今回参拝いたしました。

中世からの歴史ある神社

こちらが参道の入口です。鳥居から本殿まで80m程の参道が続きます。緑豊かで神秘的な雰囲気です。

創建年代は不詳ですが、中世からの古い歴史があるようです。
もともとは武蔵一ノ宮氷川神社の神を勧請したことが始まりです。

かつてこちらの境内は杉、松、樅(もみ)などの雑木に覆われ、南西側は大宮大地の崖となっていたそう。そこからは涌き水がでており、鴨川に注いでいたとのこと。
貴重な水源だったことから、当初の祭祀は五穀豊穣を祈るものだったようです。

明治40年に付近に鎮座していた46の神社とまとめられ、氷川社から日進神社へと改称されました。
祭神は素戔鳴尊(すさのお)。1月に歳旦祭、4月に春祭り、7月に夏祭り、10月にお日待などの祭祀があります。
お日待とは、日の出を待ちながら五穀豊穣や近隣の繁栄、家内安全を祈願する神事のことです。

このような祭祀はどのように行われるのか、実際に見てみたいなと思いました。
神社の歴史を知ってから参拝するとより一層ご利益を感じられますね。

ゆっくりと参拝

こちらが拝殿の様子です。木々に囲まれ、緑豊かで心地よい空間です。
参道の左右には3基ずつ燈籠があります。こちらの燈籠にはなにやら動物の模様が彫られていますね。鹿でしょうか?
今まであまり気にしたことがなかったので、他の神社の燈籠と比較して見てみるのも面白そうだなと思いました。狛犬さんの表情も神社によって特徴がありそうですよね!

お賽銭を入れて、参拝します。
はじめに2回深いお辞儀をします。次に2拍手。最後にもう1度深いお辞儀をします。
正しい参拝のやり方が書いてあるので、とてもありがたいですね。

訪れたのが昨年の暮れだったので、「今年1年平和に過ごせました。ありがとうございました。」と感謝の気持ちを伝え、参拝を終えました。

伝統芸能「餅つき踊り」

参道の右手側には、紅白の4本柱がたった木造の舞台があります。こちらの舞台は毎年元旦の0時0分から行われる「餅つき踊り」の舞台です。

「餅つき踊り」は、日進神社の伝統芸能であり、さいたま市指定の無形民俗文化財でもあります。
ふかした餅米を頭上にかかげた人と杵を持った人が歌を歌いながら入場し、それから4人1組で呼吸を合わせ、リズミカルにお餅をついていきます。
その様子はとても迫力があり見応えがあるそうです!

つきあがったお餅は参拝者にふるまわれ、このお餅を食べると今年1年を健康に過ごせるといわれているようです。(ここ数年は新型コロナウイルスの影響もあり、このふるまい餅の提供はなかったようです。)

かつては江戸時代に中山道を通行する大名や武士たちにお餅をふるまったことから「接待餅」とも呼ばれ、祝い事の際に踊られいたそうです。
毎年初詣に訪れた人々でにぎわっている伝統芸能ということで、これからもぜひ続いていってほしいと思います。いつか実際に見てみたいです!

小さな神社ですが、心落ち着く場所で、パワーをいただけました。
初詣は混むかもしれませんが、普段はゆっくりと参拝できるかと思います。

隣には公園もありましたので、お散歩がてらぜひ1度訪れてみてください。

日進神社
住所:埼玉県さいたま市北区日進町2-1194
アクセス:JR川越線「日進駅」から徒歩約10分

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。