独創的なセンスと美しい色彩の作品をうみだすアーティスト!見沼区の「太夢(TAM)」さん

先日POSSIBILITY PARKに取材でお邪魔した際、たまたま店長さんが不在で代わりに対応してくださった方。お話しているうちに、なんとこの方がアーティストであると知りました。

今回は、素晴らしい作品をつくり続けているアーティスト太夢(TAM)さんを、彼の作品とともにたっぷりご紹介します!

太夢さんのプロフィール

ベトナム生まれの太夢さん。
2歳の頃日本に来てからはずっと日本で過ごし、もともと絵や工作が好きだったそう。

私が幼少期のお話を伺うと、「金賞を取ったり、県の賞に選ばれたりしたこともあったなぁ」とおっしゃっていました。当時ご自身では自覚こそなかったものの、やはりその頃からアーティストの素質があったのでしょうね。

中学卒業後、太夢さんは厳しい職人の世界に足を踏み入れます。
「なんとなくおもしろそう」と感じた塗装業でのお仕事ですが、実際に色を塗るのは住宅ばかり。

「このまま職人を続けていていいのかな」と考え始めた太夢さんは、22歳で久しぶりに絵を描きます。太夢さんの友人が、たまたま知り合いの彫り師にその絵を見せたところ、その彫り師が太夢さんの才能を見抜き「連れてこい!」となったのだとか。

3年の修行を経て埼玉に帰ってきた太夢さんは、運送業で働きながら、いろいろなリクエストを引き受けつつ作品づくりを続けます。

2021年、友人のボクシングジムの壁画として、太夢さんの作品が完成。
そのパーティの場で知り合ったPOSSIBILITY PARKのオーナーさんから、「パーク内にアトリエを置くからおいで」とお声がかかり、現在に至ります。

アーティスト太夢さんの受賞作

POSSIBILITY PARKのアトリエに移ってきてから、1年ほどで大きな賞も受賞されていました。

・第20回公募ZEN展(東京都美術館2022.6)大賞

ZEN展は、派閥、流派、国籍を問わず広く公平に開催することを信条とする展覧会。
作品の大きさや年齢、制作を始めてからの年数も問わず、自分の作品をたくさんの人に見てもらいたいという意欲のある人なら、誰でも応募可能な展覧会です。

絵画、書、工芸、イラスト、写真、パフォーマンス、など幅広い部門が設置されているので、多くのアーティストが自由に才能を発揮できる場でもあります。

700点を超える作品の中から、大賞に選ばれたのが太夢さんの作品でした!

実はこの頃、病と闘っていた太夢さんのお母様。そのお母様の姿を見て、太夢さんが感じたこと、お母様への想いを込めたのがこちらの作品です。

まっすぐ前を向く力強いまなざし、凜とした表情、まるで大きな希望をあらわすかのような金色の光。この作品を見た時、私は涙が出そうになりました。

・第6回ZEN展(埼玉県立近代美術館2022.10)奨励賞

この作品のテーマは「輪廻」。
5つの花言葉をもつユリの周りに描かれた龍。
まだ幼い子どもの龍、青年期、大人、そして晩年の龍へと変わりゆく姿が描かれています。
幼い龍へと再びつながっていく命。

みなさんは、こちらの作品を見てどんなことをお感じになりますか。

失敗が許されない手彫りの作品

これまでご紹介したのは、太夢さんの手彫り作品です。

アルポリ板という看板などに使われる板を、ルーターと呼ばれる器具で削ることでアルミが浮き出し、見事な線を描いていきます。

削り過ぎて、中心のポリエチレンの部分に達してしまうと取り返しがつかないので、相当な集中力が必要な作業です。

削る深さ、太さを調整したり、ルーターの回転スピードを変えたりしながら、細かい部分まで驚くほどきれいな線が描かれていきます。

豊かな色彩は、スプレーとアクリル絵の具で表現。
下書きの時点ではあえて色を決めず、なんとその場で考えて色をつけいくのだそう!
まさにその瞬間に太夢さんが感じたものが、作品となって生まれていくんですね。

大胆なウォールアート

壁や天井、床などに直接絵を描いていくウォールアートもありました。
POSSIBILITY PARKの外壁にも太夢さんの大きな作品が。
近くを走る電車からも見えるようになっているのだそう。なるほど!

遠くから見るとわかりにくいのですが実はこの作品、壁を削られて表現された作品になっています。

パーク内には、レンガの壁にモルタルを塗りドリルで削ったこちらの作品もありました。
大胆な工程にビックリですが、出来上がりがかっこいい!

スケートボートや水筒にも

実にバラエティー豊かな太夢さんの作品。
POSSIBILITY PARKはスケートボードのパークなので、利用される方からの依頼もたくさんあるのでしょうね。

これから出番が多くなる水筒まで!

まっすぐな板と違って、丸くなっている水筒はやはり作業が難しいそうですが、こんなにきれいに彫れるとは驚きです。葉っぱの細い線、鳥の輪郭のしっかりした線など、つい細かいところにも見入ってしまいます。

こんな水筒を持っていたら、みんなにアピールしたくなりそう♪

太夢さんのこれから

普段はパーク内のアトリエで作品づくりをしている太夢さん。
パークに来たお子さんたちとの交流を通じて、子どもたちが枠にはまらずもっと自由に表現できる場があれば、との思いも抱いているのだそう。

群馬県の小学校にも招かれているので、学校では教わらない技法を伝えて、子どもたちと一緒に何か作品を作りたい、とおっしゃっていました。

ようやく感染状況が落ち着いてきて、念願だった日本一周の旅を年内にもスタートする太夢さん。子どもたちへのそうした思いもぜひ広めてほしいなと思います。

さらに外の世界でがんばる姿を、闘病中のお母様に見せて元気づけたい、という気持ちもあるそうで、これからの太夢さんの活動を私も応援したくなりました。

太夢さんの豊かな発想と生み出された色彩の美しさを、ぜひ間近で見てみてくださいね!

太夢さん(POSSIBILITY PARK内)
住所:埼玉県さいたま市見沼区小深作756
アクセス:東武アーバンパークライン「七里駅」より徒歩約15分
TEL :048-812-8030
営業時間:11:00-20:00

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。