1枚の板に木や福祉への想いを込める「アトリエ一本道」

「埼玉大学」のバス停から徒歩10分にあるアトリエ一本道さん

大きな1枚板に「家具販売」、奥に「アトリエ一本道」と書かれた黒い看板が目印のお店です。

いたるところに木材加工の様子が見えるこちらのお店。今回はお店の様子を代表の方とのお話を交えてご紹介いたします。

大迫力!?多種多彩な木々たち

さっそくお店の中を見学!
こちらの建物は、古屋だった建物の壁の色を塗りなおしたり、照明を作ったりと手作りで改装したのだそうです!
建物のなかには大きな木板がいっぱい!木のいい香りが広がっています。

大きさや長さ、木目の模様までたくさんの種類の1枚板が置いてありました。
私の身長より高いものもあり圧倒されました!

木って全然違う?まるで名探偵!

こちらは代表の藤園さん。木の種類や特徴など、一緒に見ながら丁寧に説明してくださいました。

藤園さんによると、年輪の形や木目でこの木がどこにあったものなのか予想できるそうです!

写真で紹介している木は、奈良県産のとちの木。
藤園さんがおっしゃるには、以下のような場所で育った木ではないかとのことでした。

  • 年輪の間隔が大きいことから、夏の間に大きく育つことができる場所
  • 人の手で植林されていない場所・日の当たる山の上で土壌が良い場所
  • 人通りはあるけれどなかなか切られなかった
  • 神社などにあったものではないか


このような予想を楽しそうにお話してくれました。

木は自然の産物なので、乾燥の段階で、板が反る反らない、割れが入るなど、お客様にとってのデメリットも上記のお話を含めきちんとお伝えするとのこと。

お客様が本当に買ってよかったと思える良いものをお渡ししたいと、木が育った場所から加工や仕上げまでの工程をお伝えするなんてステキですよね。

こういった丁寧な対応のおかげか、なんと遠く離れた沖縄のお客さんもいるそうです!発送では一枚板が傷つかないように木枠をつくって丁寧に送るようです。

丸太に刻まれた気になる模様

お店の外も見学させていただいたところ、丸太が干されていました!
これは椅子などの制作前の段階で、幹を乾燥させている状態!

木の皮を剥ぎ、幹のなかにいる虫を夏の日差しで外に出しているのだそうです。
皮がはがれている状態を見るのははじめてなのですが、この渦のような模様が気になります。藤園さんに聞いてみると、これは皮の中で虫が移動した道なんだそうです!

見学をする中で多く目にしたのは、丸太をはじめ、木を加工する際に出る破片や、切りくず。
こういった端材は、障がいを持つ方の職業訓練で使用するために提供をしているそうです。ほかにも地元の農園に鉋屑(かんなくず)、切りくずの提供をおこなうといった、地域活動をおこなっているとのこと!
ECOな取り組みだけでなく、地域への支援もしていらっしゃるなんて素晴らしいですよね!

さいたまを中心に、福祉に理解のある社会を目指したい

端材の提供をはじめとする、地域福祉活動のきっかけはなんだったのでしょうか。改めてお話を聞いてみました。

先ほどの販売所から、作業場と隣接したこちらが事務所です。
写真を見てわかるように、事務所には大きな看板がありました。NPO法人?ヘルパーさん?こちらについても藤園さんにお話を伺いました。

藤園さんは鹿児島県出身。バンドをしており18歳の時にさいたまに来られたそうです。
そして、障害を持った方と出会いました。

その時にこう思ったそうです。障害を持つ方が自分らしく生きられるように、ひとつの地域でもいいから差別のない社会をつくりたい。そんな想いで25歳の時に介助派遣事業を起業されました。

しかし、介助を必要とする方が亡くなった場合の会社経営への波や、今後を見据えた福祉事業の展開としても社会的にも苦しい状況になっていくだろうと予測される中、ヘルパー事業の存続や会社の運営で悩まれていたそうです。

そんなとき、在籍していた建築経験者のヘルパーさんと話したそうです。

そのヘルパーさんはこうした状況もあり建築業界へ戻るべきか悩んでいた所、ヘルパーさんへの支援として会社の中に工房をつくり、住宅改修の事業を始めたそうです。

木の心地よさを活かした、家になじむ車椅子のスロープ作りや、手すりなどを製作し、これにお客さんは大変喜んでくれたのだとか。

こういった木に触れる機会があったのちに、たまたま自宅のテーブルを一枚板のダイニングテーブルに買い替えるタイミングがあったそうです。こんなに素晴らしい家具があるのだと、その時の感動が忘れられず、2019年に「アトリエ一本道」を創業したとのことでした。

木や福祉への想いが1枚の板にこめられていると、お話を聴いていて感動しました。
現在、藤園さんはアトリエ一本道の代表を勤めつつ、福祉関係のNPO法人の活動もされているようです。

事務所にはアトリエ一本道さんのイベントや展示会でも紹介されている、テーブルやアクセサリー、ボールペンなどが販売されています。

社会的活動としてバンドの経験を活かしプロモーションしているとのこと。
SNSやYouTubeでも活動されているのでぜひご覧ください。
展示会のほか、ワークショップでは自分たちで創作したり、ボールペンや時計の制作の体験ができるそうです。

9月にも下記イベントがあるとのことです!

「アトリエ一本道 展示会」
日時:2023年9月16.17.18日 9:00-17:00
場所:桜区プラザウエスト1階ギャラリー

みなさんも木の感触を体感してみませんか。

アトリエ一本道
住所:埼玉県埼玉県さいたま市桜区五関463-1
アクセス:JR埼京線「南与野駅」西口 バス停 北朝霞行 下大久保下車 徒歩5分
JR東北本線・JR京浜東北線・JR高崎線
「浦和駅」西口 バス停 大久保浄水場行 中島下車 目の前
電話:050-5218-8141
営業時間:9:00~18:00
定休日:火・水休み 配送や仕入れなどで不定期にお休み有。
ご来店の際は、来店予約をして頂くとお客様の見たい商品を準備してご案内させていただきます。