緑あふれる寺院!天然記念物も見ることができる「普門院」|大宮区

今回はさいたま市大宮区の「普門院(ふもんいん)」をご紹介します。

一見どこにでもあるようなお寺ですが、中には貴重な自然があり、大宮区だけでなく日本全国へ影響を与えた人たちと深い関わりのある場所となっています。

普門院とはどんな場所?

普門院は今から約600年も前になる1426年に創立。

当時辺りを治めていた領主・金子駿河守大成が出家。住居としていた場所を寺院とし、大成山普門院として名付けられたことが始まりとなります。

院内は大きく立ち上る木々に囲まれ、自然豊か。それだけでなく、市の指定史跡や天然記念物、名を残した多くの文豪、そして世界で初めて実用できる胃カメラを考案した大宮名誉市民でもある宇治達郎が眠る由緒正しき場所となっています。

きれいな参道が出迎えてくれます!

入り口から入ると立派な2本の木が出迎え、短めの参道が続きます。

横に目をやると、このときには葉桜になりつつありましたが桜の木が生えています。

普門院には保育園が併設。今回訪れたのが週末だったこともありおやすみでしたが、平日には子どもたちの元気な声がひびいているんだろうなと想像できました。

参道の途中にある鮮やかなピンク色の花の木が印象的です。名前が気になり必死に調べたもののわからず。ご存知の方はぜひ教えてください。

荘厳な建物と庭園!

参道の先にはシンプルでありながら存在感のある山門。普門院の偉大さを実感させられます。

山門をくぐると美しい庭園が広がっていました。隅々まできれいに整えられ、穏やかな気持ちになります。

足元に目をやると、枯山水のようにきれいに石が波を打つようになっていました。長くさいたま市に住み、いろんな場所のお寺に行きましたが、これほどまでにきれいなお寺は初めて訪れました。

歩みを進めると立派な本堂があります。しっかりとお賽銭をし、この記事が多くの人に見られるようお祈りしてきました。

院内にいるとなにやら音がしてきます。見わたすといたるところに鉄鈴がぶら下がっていました。

独特の甲高い音がひびいて、とても涼しげな気持ちになります。

大成領主・小栗忠政一族が眠る普門院

普門院はこの付近の領主であった小栗家と深い関わりのある寺院です。

江戸時代初期の武将である小栗忠政から始まり、本家分家合わせて30基ものお墓があります。

大河ドラマ「青天を衝け」で武田真治さんが演じた、忠政の子孫である小栗上野介忠順が非常に有名で、江戸時代末期に、日本の近代化に尽力。7月から発行される新一万円札に描かれる渋沢栄一の活躍を手助けしたひとりとされています。

小説家である司馬遼太郎に「明治の父」と評価された忠順。彼の最期は残酷で、なんと斬首されてしまいました。

忠順のお墓については諸説あり、群馬県高崎市にもあるとされていますが、普門院にも存在しています。

しかし、多くの文献で普門院と小栗家の関係が書き記されており、今の日本を作った人物の血が普門院で眠っています。

大宮二十景のひとつ!

大宮区内の名所を区民からの応募で厳選した大宮二十景の一つに選定されている普門院。

歴史と文化を感じられる場所であること、そして、市指定の天然記念物が多くあることが選定理由となっています。

本堂前にあるキャラ、客殿前にあるタラヨウ、チリメンカエデが天然記念物となっており、それぞれに名札が設置されています。

他にも魅力たっぷり!

とても広い駐車場もあり、車で行っても安心して停めることができます。

駐車場内になんともめずらしい球体状のものと錨(いかり)を発見。

球体の物体は浮標水雷といい、水中で爆弾として活躍する装置。

浮標水雷と錨は小栗上野介忠順へ当時の政府から贈られたものとなっており、生前海軍の発展に尽力した功績を讃えたものとなっています。

この2つ以外にも駐車場内にはさまざまな石標があり、見ているだけであっという間に時間が経ってしまいました。

普門院にはいたるところに小栗家の活躍が書かれた案内板など、普門院に関わりのある案内板があります。

今まで知らなかったことが多くあり、多くの学びを得ることができます。

ここまでさいたま市大宮区の普門院を紹介しました。

歴史を学ぶだけでなく、普段生活していると感じることができない豊かな自然の中でとてもリラックスすることができます。

お寺ということで、少し気が引けてしまう部分があるかと思いますが、その先には新たな世界が広がっています。

ぜひ一度訪れてみてください。

普門院
住所: 埼玉県さいたま市大宮区大成町2丁目402
アクセス:JR京浜東北線、川越線「大宮駅」西口より東武バス三進自動車、三橋総合公園、シティハイツ三橋行乗車「ハローワーク大宮入口」下車徒歩約6分

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