今回は、さいたま市大宮区の「景元寺(けいげんじ)」をご紹介します。
住宅街にひっそりとたたずむ景元寺では、まるでジブリの世界かのような大木が私を驚かせてくれました。
住宅街にひっそりたたずむ景元寺
景元寺は埼玉県道35号線、通称産業道路として親しまれる道路の脇道を入ってすぐにあります。
2017年に移転した大宮警察署、日本で使用される硬貨を製造する造幣局さいたま支店のすぐそばです。
ただ、お寺自体は住宅街のど真ん中にあるので、まわりは一軒家やマンションだらけ。
地域になじんだお寺となっています。
さいたま新都心から運行されるバスに乗って向かうのが最短ですが、おすすめは徒歩。
さいたま新都心東口から歩いて20分ほどで着いてしまうので、年々変わりつつある新都心の風景を楽しんでいたらあっという間に着いてしまうでしょう。
景元寺の大木「シイノキ」
景元寺に着いて最初に目を引くのは、タイトルにもさせていただいた大木。
2本の巨大シイノキが並んで生えています。
近づくとより大きさを実感。
幹の太さがなんと4メートル以上、根回りは11メートル、高さ18メートルと文字通りの大木となっています。
パッと見た瞬間、私の脳裏にはジブリ映画「となりのトトロ」が思い浮かんでしまいました。
下から見上げる景色はより一層壮大。
前後左右に14メートル以上も広がっており、視界がすべて葉っぱの緑で覆われてしまいました。
さいたま市の天然記念物に指定されています!
さいたま市大宮区の景元寺は、昭和34年に旧大宮市の天然記念物に指定されました。
昭和34年は西暦にすると1959年。今から65年前のこととなります。
そして景元寺のシイノキには、こんな逸話が残っています。
戦国時代、越後の国を支配した武将・上杉謙信の危機を救った木とされています。
上杉謙信が関東に出陣したとき、現在の景元寺のあたりで雷雨に見舞われたそう。
そのとき、このシイノキが上杉謙信を守ったという言い伝えがあります。
上杉謙信は1578年に亡くなっているので、景元寺のシイノキは少なくとも450年以上も樹齢を誇っていることになりますね。
その後、家臣である長尾景元がこの場所に陣を構えたことから、景元寺という名前がつけられたんだとか。
別名シイノキ寺として親しまれ、市民の応募によって選ばれた「大宮二十景」の1つとなっており、謙信の伝説を伝えるスポットとして親しまれています。
シイノキ以外にも見どころいっぱい!
入り口を入ってすぐのところには、シダレ桜の「道鑑尼桜」が植えられています。
道鑑尼桜という言葉がとても気になり、その意味を必死に調べましたがわからず。
ご存じの方いたらぜひ教えてください。
今回訪れたのが3月中旬だったので、まだ綺麗な桜は見れませんでした。
桜の花が咲いたら、シイノキとの相性はばっちりだろうなと思いました。
道鑑尼桜の前には、青いベンチが3脚。
このベンチに座りながら、木々を見たり、休憩がてらおしゃべりしたりできます。
今回はさいたま市大宮区の景元寺を紹介しました。
ここまで立派なシイノキを見られるのは景元寺ならでは。
自然の素晴らしさだけでなく、歴史の一部を体験できるのも魅力のひとつです。
ぜひ一度訪れてみてください。
景元寺
住所: 埼玉県さいたま市大宮区北袋町2丁目379-1
アクセス:JR京浜東北線「さいたま新都心駅」東口より東武バスさいたま市立病院、東新井団地行乗車「上木崎」下車徒歩約4分